親が亡くなったら最初に読む手続き完全ガイド
最終制度確認:
親が亡くなった直後は、すべてを一度に終わらせる必要はありません。最初にすることは、期限が短いものを見落とさないよう、手続きを「今すぐ」「3か月まで」「4か月まで」「10か月まで」「その後」に分けることです。
死亡後の手続きの全体像と、確認する順番をまとめています。必要書類や提出方法は、故人の加入制度、財産、家族関係、住所地、契約先によって変わります。詳しい条件は、該当する手続きと公式窓口で確認してください。
まず今日すること
- 死亡診断書(死体検案書)を受け取り、死亡届の提出方法を確認する
- 葬儀・火葬の予定と費用の支払い方法を家族で共有する
- 故人の財布、郵便物、スマートフォン、通帳、保険証券などを一か所に集める
- 連絡した人、支払った費用、見つかった契約をメモする
- 相続放棄を検討する可能性があるときは、故人の財産を処分する前に専門家や家庭裁判所へ確認する
死亡届を出せば、銀行、保険、税、登記などが自動ですべて終わるわけではありません。役所で案内される手続きも自治体によって異なるため、「死亡後の手続きを一つの窓口だけで完了できる」と考えず、故人の加入先・契約先ごとに確認します。
手続きの順番は「期限」と「生活への影響」で決める
法律で一つの提出順が定められているわけではありません。次の順に確認すると、短い期限と日々の暮らしを優先できます。
早めに確認するもの
- 死亡届・火葬許可に関する手続き
- 世帯主変更が必要かの確認
- 健康保険、介護保険、年金の窓口確認
- 電気、ガス、水道、電話など生活に必要な契約の継続・名義変更
- 葬儀費用など支出の領収書保管
死亡届など個別手続の期限は、それぞれの公式窓口とリンク先記事で確認してください。世帯主変更、健康保険、年金は、誰がどの制度に加入していたかで届出人・期限・窓口が変わります。勤務先の健康保険なら勤務先、国民健康保険なら住所地の市区町村など、最初に制度を特定してください。
3か月までに確認すること
相続人、遺言書、財産、借金を調べ、相続放棄・限定承認を検討します。相続放棄・限定承認の原則的な期間は、自分のために相続が始まったことを知った時から3か月です。財産調査をしているだけで期間が自動的に延びるわけではありません。期間内に判断できない場合は、家庭裁判所への期間伸長の申立てを検討します。
この段階では、預貯金、不動産、有価証券、保険金、未収金などのプラスの財産と、借入れ、未払金、保証などの負担を分けて一覧にします。民事上受け継ぐ債務と、相続税の計算で控除できる債務は同じ概念ではありません。
4か月までに確認すること
故人に所得税の確定申告義務があったかを確認します。準確定申告が必要な場合は、相続の開始があったことを知った日の翌日から4か月以内が申告・納税期限です。すべての人に必要な手続きではないため、故人の所得と申告状況を確認します。
10か月までに確認すること
相続税の申告が必要かを確認します。基礎控除は「3,000万円+600万円×法定相続人の数」ですが、財産評価、債務、葬式費用、非課税財産、特例を含めて判定します。申告が必要な場合、期限は相続の開始があったことを知った日の翌日から10か月以内です。遺産分割が終わっていなくても、申告期限が自動的に延びるわけではありません。
必要書類は最初から一式を決めつけない
よく使う資料は次のとおりです。ただし、すべての手続きで同じものが必要になるわけではありません。
- 死亡の記載がある戸籍・除籍
- 故人の出生から死亡までの戸籍(相続人確認で必要になることがある)
- 相続人の戸籍、住民票、印鑑登録証明書
- 遺言書、遺産分割協議書
- 通帳、証券、保険証券、固定資産税関係書類、借入れ資料
- 葬儀費用などの領収書
- 各窓口の申請書と本人確認書類
戸籍の範囲、発行期限、原本還付、必要部数は提出先によって異なります。先に手続先へ確認し、同じ証明書を必要以上に取り直さないようにします。法定相続情報証明制度を利用すると、戸除籍謄本等の束の代わりに一覧図の写しを利用できる手続きがあります。
役所だけでなく、加入先・契約先にも連絡する
市区町村では住民登録、国民健康保険、介護保険などを確認できます。一方、年金、勤務先の健康保険、銀行、証券会社、保険会社、法務局、税務署、公共料金や通信サービスは、それぞれの窓口で手続きします。
オンラインや郵送でできるかも手続先ごとに異なります。公式サイトで対象者、必要書類、本人確認、原本提出の要否を確認してください。
自分で進めるか、専門家へ相談するか
書類を集め、窓口へ確認しながら自分で進められる手続きもあります。次のような場合は、早めに相談先を検討してください。
- 借金や保証の全体が分からず、3か月の期間が迫っている
- 相続人や遺言の有効性をめぐって意見が分かれている
- 不動産や事業、海外財産など評価・名義変更が複雑
- 相続税や準確定申告の要否を判断できない
- 平日に窓口へ行けず、書類取得や提出の支援が必要
相談先は、法律問題なら弁護士、登記なら司法書士、税務申告なら税理士など、依頼内容に合う資格・業務範囲で選びます。
迷ったときのチェックリスト
- [ ] 死亡届・火葬の手続きを確認した
- [ ] 世帯主、健康保険、介護保険、年金を確認した
- [ ] 相続人と遺言書の有無を確認した
- [ ] 財産と借金を同時に一覧化した
- [ ] 相続放棄・限定承認の3か月の期間を確認した
- [ ] 準確定申告が必要か確認した
- [ ] 相続税の申告が必要か確認した
- [ ] 不動産があれば相続登記の期限を確認した
- [ ] 預貯金、保険、証券、契約サービスの手続先を整理した
- [ ] 提出日・連絡日・支払日と控えを記録した
よくある質問
死亡後の手続きは、まず役所へ行けば全部分かりますか?
役所で確認できるのは主に住民登録や自治体が扱う保険・福祉などです。銀行、保険、年金、登記、税務、民間契約は別の窓口になるため、故人の加入先・契約先を一覧にして確認してください。
手続きには全国共通の順番がありますか?
一律の提出順はありません。期限が短い相続放棄等を見落とさないようにしながら、葬儀、生活維持、保険・年金、財産調査、税務の順で自分の状況に合わせて進めます。
必要書類は何部ずつ取ればよいですか?
提出先と相続関係によって違います。原本還付や法定相続情報一覧図を利用できる場合もあるため、各窓口へ先に確認するのが確実です。
手続きを家族以外に代行してもらえますか?
手続きによって、代理できる人、委任状の要否、資格者に限られる業務が異なります。依頼する手続きを具体的にして、提出先と専門家へ確認してください。